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COMMENT

この作品は、アンジェリーナ・ジョリーさんが、約10年前に国連難民高等弁務官(UNHCR)の
特使として初めてボスニア・ヘルツェゴビナを訪問した際、難民キャンプに収容されていた
被害女性から直接聞いたことが基になっているそうです。
この映画を見る人は、一組の男女のたどる数奇な運命を通じて、民族間の紛争が
いかに人々を悲惨な状況に陥れ、傷つけるかを見ることになります。
敵同士となってしまった恋人たちの深い愛に加えて、本作品を制作する動機となった
ジョリーさんの問題意識に思いを馳せていただければと思います。

第8代国連難民高等弁務官・国際協力機構(JICA)前理事長 緒方 貞子

アンジー、よくぞ、こういう重いテーマで心に響く映画を作ってくれた!
見終わった後、ショッキングな描写への驚きと同時に、感謝の気持ちでいっぱいになった。
これまで、スクリーンで強いヒロインを演じてきたアンジェリーナ・ジョリーを、
これからは強いメッセージを持つ表現者として認識しなければならない、
そう感じる作品だった。

『最愛の大地』は、公開前からずっと注目されていた初監督の話題作。
まあ、波乱万丈な人生を歩むアンジーのことだから、無難な作品でないことは間違えない。
実話に基づく脚本を自ら手がけたということからも、相当な意気込み、覚悟が伝わる。
人権活動家でもあるアンジー自身が、多様なルーツを持つ方だからなのか、
戦争への怒りだけでなく、民族対立の愚かさをこの作品に込めたようにも感じた。

舞台となったボスニア内戦は、20年ほど前、日本でも毎日報道されていたはず。
ところが、実際に遠い欧州で何が起きていたのか、僕自身、想像が及んでいなかった。
この映画をきっかけに知ったことだが、そこに住む人たちに、言語、文化の違いは
ほとんどなく、ただ宗教の違いだけで異民族とされているという。つい昨日まで、
同じボスニアの地域社会で仲良く暮れしていた人々が、内戦勃発によって、憎悪に
煽られた民族ごとに分断、そして、地獄のような日々が突然、やってきた。顔見知りの
ご近所同士で、酷いことが行われる。やはり、日本に暮らしていると想像がつかない。

そんな中、婚約していた画家アイラと警察官だったダニエルが、民族の違いで敵同士に。
恋人同士の二人は、捕虜になったムスリム人画家、その彼女を専属画家に仕立てて
匿うセルビア人将校という立場に変わった。この戦争によって、まるで彼らの本当の愛が
試されているかのよう。それぞれの家族との絆から生まれる敵対民族への憎悪と、
自分たちの育んできた愛、それが戦争という理不尽な状況の狭間で揺れ動く様子が、
垣間見ることができた。
二人のやり取りには言葉が少なく、音楽もあまりない。多くを想像させる
ドキュメンタリータッチの作りが、リアリティをさらに豊かにする。
自分がアイラの立場だったら、ダニエルの立場だったら、どうしただろうか。
この作品からは、戦争の理不尽さについて、多くのことを考えさせられた。
人とは何なのか、愛とは何なのか。

現在手がけている次回作も戦争がテーマだという、アンジェリーナ・ジョリー。
また彼女らしさが伝わる力強い作品になることだろう。

山さんこと山内和彦(選挙)

メッセージが分かりやすく、とてもリアルに感じてしまう戦争映画でした。
女性が弱い立場になってしまう中、アンジェリーナらしい
"その中で強く生きる女性"目線がとてと切なく描かれてます。

IMALU

メガフォンのこちらの、アンジーの息遣いが聞こえる。『戦争』に『愛の正義』など
存在しない。あらゆる蛮行が『正義』の仮面をつけて闊歩する。イデオロギーも、民族の血も、
宗教も、実は、全て『いのち』への愚行と、冒涜の手段にしてしまう、
わたしたちすべてのジンルイに警鐘を鳴らしたかったのではないだろうか。
柔なハリウッドの風のなかに、閃光のように煌めくアンジーの魂と才能に、感謝!

野中ともよ(NPO法人 ガイアイニシアティブ代表)

「紛争」とか「内戦」って言葉にしちゃうと 脳の中にコンパクトに収めてしまいがちだけど
民族の対立が軍事になると、いつも暮らしている見慣れた景色がこんなにも厄介で理不尽な
地獄になってしまう。まさに渾身の作だと思います!

小澤 弘邦(フラワーアーティスト・「ロックの会」実行委員会担当)

男目線の監督じゃない。女を売りにもしない。愛を証明しづらい。
許せない束縛。閉所恐怖。権力を片方が持っている場合の二者の愛。
敵と同胞の女を盾に敵と撃ち合う。暴力は言葉なく説明なくいきなりやって来る。
女は活き、また生きる。男はいつ目を覚ますのか。

谷岡 雅樹(ノンフィクション作家)

次々に起こる現実を目の当たりにし
あまりのなまめかしさに息をするのも辛く涙を流す暇もない
ドキュメンタリーを観ているようでした。
愛の先にある人の心
レンズを通した現実がここにはあります。

せきぐち きみこ(女優/ナレーター) 『最愛の大地』予告編ナレーション担当

この映画にアンジェリーナ・ジョリーは姿を見せないが、
過去のどの作品よりも、彼女の強さと繊細さの本質を感じ取ることができるだろう。

中村公彦(監督・脚本・俳優)

ボスニア取材を経験した私にとって、この映画はあまりにリアルで、
当時の感情がこみあげてくるほどだ。
これまで充分に伝えられなかった、ボスニア内戦の悲惨な事実に
鋭く斬り込んだジョリーには敬服の外はない。

山路徹(ジャーナリスト)

監督アンジェリーナ・ジョリーの「この時代を再考すべく、全員がアーティストとして
まとまること、そして正確に表現することを望んでいた」というコメントがまさに
表しているように、映画的な演出過多ではないところが、日常に起きた出来事としての
突然さや痛みを増して、終始ショックだった。

MEG(シンガー・デザイナー)

目を逸らしたくなる残酷な現実。
同時に強く思う。あの時代、あの場所にいたら何を思うのか。
大きな流れに翻弄される、か弱い人間の悲しい物語。
ただ、その人間の愛の強さを確かに感じられる美しい映画です。

小篠恵奈(女優)

この作品を見て戦争という行為は、 いつの時代も何も解決することなく、
あらゆる人々の中に悲しさや虚しさなどしか残らない行為と改めて感じ考えました。
その中に生きる様々な人種や性別を超えた“愛”を描いた作品です。

島袋聖南(モデル)

ただのハリウッドスターのお遊び映画ではない。
アンジーだからこその女性の悲しみ、強さの表現。対岸の火事ではなく、
同じ人間に最近、起きた現実。
誰が悪い?何が正義?まだ体が震えてます。

椿姫 彩菜(タレント)

フィクションなのに、どんなニュース映像や新聞記事よりもリアル。
「蜂蜜と血の大地」という原題が象徴するのは、戦争という極限状態でうまれる愛と憎しみ、
絶望と救い、残虐とやさしさ。それは、「ハリウッドとボスニア」という両極の地に身を
置いたことのあるアンジェリーナ・ジョリーだからこそ描けた世界なのかも知れない。

佐々木芽生(「ハーブ&ドロシー」監督)

ゆっくり流れていく時間のなかで緊張の糸が激しく張りっぱなし。
しかも切なさで心が締め付けられる。
知ってほしい、訴えたい気持ちが痛いほどわかります。
アンジェリーナ・ジョリーのスゴさに拍手を贈り続けたい。

映画コメンテーター LiLiCo

現状を目のあたりにしたアンジェリーナ・ジョリーの声にならない叫びを、
痛いほど感じました。極限の恐怖と悲しみの中で、
何かを信じて生きようとする姿には突き抜けた美しさを感じます。
現実を突きつける迫力から目を背けないでください。

ヴァイオリニスト 川井郁子

ボスニアに起きた民族の戦いがいかに一般の人たちの人生を引き裂かれてしまうのかを
時には衝撃的に、時には美しく、女性の目線で力強く描かれている作品でした。
恋人同士が敵になってしまう残酷な設定は見ている人に戦争の無意味さを訴えかけます。
男性の主人公の演技の深さに戦争の悲しみが複雑に伝わって来ました。
「みんなで戦争について考えてほしい」とまるでアンジーが私達に言っているように、
目を背けてはいけない残酷な戦い、見終わると胸が痛くなる切ない愛と命と戦いの映画でした。

アグネス・チャン(歌手)

いったいアンジーはどこまで、何に挑戦し続けるのだろう。
社会派の映画監督として、UNHCR特使として。乳房予防切除手術を受けた女性として。
彼女自身の長編ドラマの先が知りたい。

衆議院議員自由民主党広報本部長 小池百合子

戦争とは、ある日突然、愛のすべてが否定されること!
この映画に描かれたユーゴ内戦の、あまりの惨さに慟哭が止められない。
戦争はゲームじゃないことを若い人にも知っておいて欲しい。

歌手 加藤 登紀子

愛した男が敵になってしまった戸惑いと、 愛した女を捕虜として扱わなければならない苦悩。
戦争に引き裂かれた愛の哀しさと切なさがリアルな感情となって迸っていました。
そして、サラエボと同じような悲劇がいまだ世界のどこかで繰り広げられていることに
とても心が痛みました。

福本次郎(映画ライター)

まさに渾身の監督デビュー作と言える!
UNHCR特使や世界中の恵まれない子供の養子を取るなどしているからこそ、
戦争によって描かれる悲劇は、母として子供を映画を通してどうやって守れるのか?
とも感じ取れた。愛の詰まった一本。

映画コメンテーター 有村 昆

戦争というものは、人間の1番大事な人を愛するという気持ちまでも
枯らしてしまうものなのか。
聖書の一節に、『敵を愛しなさい』という言葉があるが、戦争では宗教でさえ人を救えない。
ラストシーンにアンジェリーナ・ジョリー監督のこれからの世界に対する一筋の光を
見たような気がした。

丸岡 いずみ(元日本テレビキャスター)

『トゥームレイダー』や『WANTED』などでしかジョリーを知らない人たちには
衝撃とも思える作品。
ジョリー本人のやりたいことをやりきった感あり!

わたなべ りんたろう(監督・脚本・ライター)